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宮崎農園の農家日和~栽培~

皆さんこんにちは!

 

宮崎農園、更新担当の中西です。

 

 

人と火山が育む甘さ──島原のフルーツにんじん、栽培のこだわりと成長のプロセス


今回から2回にわたって、私たちが手塩にかけて育てている「フルーツにんじん」の魅力と、育てる工程についてご紹介していきます。


◆ 島原の大地は、にんじんに最適な“恵みの舞台”

 

長崎県島原市といえば、雲仙普賢岳をはじめとする活火山地帯として知られています。
その火山がもたらしたミネラル豊富な土壌、そして美しい湧水や地下水の恩恵が、
この地の農作物に特別な“甘み”と“コク”を与えてくれるのです。

私たちが育てているフルーツにんじんは、この肥沃(ひよく)な土地と清らかな水を生かし、
一般的なにんじんよりも糖度が高く、えぐみが少ないのが特徴です。

「柿のように甘い」と表現される理由は、まさに自然と人の技が融合した証でもあります。


◆ 種まきは“涼風の季節”から始まる

 

フルーツにんじんの栽培は、だいたい8月下旬〜9月中旬ごろに種まきを行います。
暑さが少し和らぎ、土にしっとりと水分が宿るこの時期が発芽に最適。

しかし、台風や集中豪雨の時期でもあるため、排水対策と土壌管理が重要です。

こだわりポイント:

  • 土壌は深くふかふかに耕すこと(にんじんは根を深く伸ばす作物)

  • 微生物の働きを活かした完熟堆肥とミネラル資材の使用

  • 畝立て(うねだて)は高めにして水はけをよくする


◆ 発芽からの毎日が“観察と対話”

 

にんじんの発芽はとても繊細。
土の中で双葉が開くまでは、まさに“命の芽吹き”を見守る日々です。

  • 雨が多ければ腐ってしまう

  • 晴れが続きすぎると乾いて芽が止まる

日照と水分のバランスを見極め、畑の状態に合わせてこまめな水やりと中耕(ちゅうこう:土を軽くほぐす)作業を行います。

この時期は農家にとっても一番神経を使う時期。
でも、芽が出た時の喜びは、何度経験しても言葉にならないほどです。


◆ 育ち盛りの管理:間引きと草取りは愛情そのもの

 

発芽して数週間後には、“間引き”という大切な作業が待っています。

生育に差がある苗を選び、間隔を一定に整えることで、1本1本にしっかりと栄養が行き届くようになります。

この作業を怠ると、根が変形したり細くなったりして、
甘さや食感にも大きく影響が出てしまうのです。

さらに、雑草との戦いも続きます。
除草剤に頼らず、できる限り手作業で丁寧に草取りを行うことで、
JGAP認証に基づいた“安全で安心なにんじん”の基盤を守ることができます。


◆ 糖度を育てるのは“寒暖差”と“じっくり育てる姿勢”

 

秋が深まるにつれて、島原の朝晩は冷え込みが強くなります。
この“寒暖差”が、にんじんの糖度をグッと引き上げる秘密。

根に蓄えられたでんぷんが糖に変わり、
やがてまるでスイーツのような甘さを生み出していきます。

そして、出荷までには約90〜120日
“じっくりゆっくり育てる”ことで、にんじんは自然な甘みと柔らかさをまとっていくのです。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

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