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皆さんこんにちは!
宮崎農園、更新担当の中西です。
今回は前回に続き、長崎県島原市で育てた「フルーツにんじん」が、
食卓へ届くまでの収穫から出荷までの舞台裏をご紹介します。
にんじんの収穫は、播種からおよそ100日前後、
葉の状態や根の太さ、そして地上に少し現れる肩(根の上部)の色つやを見ながら慎重に判断します。
糖度を最大限に引き出すには、**ギリギリまで粘る“待つ技術”**も必要です。
ただし、遅すぎると割れやすくなったり、甘味のピークを逃してしまうため、
毎日畑に足を運び、1本ずつ抜いて確認するという地道な観察が欠かせません。
島原の土壌は火山性でサラサラしているため、手作業でも比較的スムーズに収穫が可能です。
それでも1本ずつ手で抜くのは、傷つけない・曲げない・折らないための大切な工程だからです。
トラクターを使えば早いのですが、
見た目が悪くなったり、表皮がめくれるリスクがあるため、
“見て選びながら、手で抜く”という作業を守っています。
収穫後は、泥が乾く前にすぐに水洗いを行います。
島原の湧き水を使ってやさしく洗い上げることで、表面の汚れを落としながらツヤ感もアップ。
続いて、サイズ・形・色・キズの有無を見ながら丁寧に選別します。
この工程こそが、「甘くて美しいにんじん」を名乗れるかどうかの最終審査。
JGAPに基づいたトレーサビリティ管理も徹底し、
誰がいつどの畑で育てたかがすぐにわかるように記録も整備されています。
市場に出すにあたり、「フルーツにんじん」という名前だけではありません。
食味テストで糖度測定(平均9〜11度以上)
試食用のスティックカット
パッケージには糖度と産地表示、安心を添えた生産者名
それらを通して、お客様に「これは特別なにんじんだ」と思ってもらう努力を続けています。
にんじんという野菜は、どこでも買える身近な存在かもしれません。
でも、私たちが育てている島原のフルーツにんじんは、
「人と自然が共に手をかけ、見守って育てた特別な1本」です。
甘い
青臭くない
子どもも生でパクパク食べる
生産者の顔が見える
そんな“野菜の理想形”を、これからも島原の地で大切に育てていきたいと思っています。
次回もお楽しみに!
皆さんこんにちは!
宮崎農園、更新担当の中西です。
今回から2回にわたって、私たちが手塩にかけて育てている「フルーツにんじん」の魅力と、育てる工程についてご紹介していきます。
長崎県島原市といえば、雲仙普賢岳をはじめとする活火山地帯として知られています。
その火山がもたらしたミネラル豊富な土壌、そして美しい湧水や地下水の恩恵が、
この地の農作物に特別な“甘み”と“コク”を与えてくれるのです。
私たちが育てているフルーツにんじんは、この肥沃(ひよく)な土地と清らかな水を生かし、
一般的なにんじんよりも糖度が高く、えぐみが少ないのが特徴です。
「柿のように甘い」と表現される理由は、まさに自然と人の技が融合した証でもあります。
フルーツにんじんの栽培は、だいたい8月下旬〜9月中旬ごろに種まきを行います。
暑さが少し和らぎ、土にしっとりと水分が宿るこの時期が発芽に最適。
しかし、台風や集中豪雨の時期でもあるため、排水対策と土壌管理が重要です。
土壌は深くふかふかに耕すこと(にんじんは根を深く伸ばす作物)
微生物の働きを活かした完熟堆肥とミネラル資材の使用
畝立て(うねだて)は高めにして水はけをよくする
にんじんの発芽はとても繊細。
土の中で双葉が開くまでは、まさに“命の芽吹き”を見守る日々です。
雨が多ければ腐ってしまう
晴れが続きすぎると乾いて芽が止まる
日照と水分のバランスを見極め、畑の状態に合わせてこまめな水やりと中耕(ちゅうこう:土を軽くほぐす)作業を行います。
この時期は農家にとっても一番神経を使う時期。
でも、芽が出た時の喜びは、何度経験しても言葉にならないほどです。
発芽して数週間後には、“間引き”という大切な作業が待っています。
生育に差がある苗を選び、間隔を一定に整えることで、1本1本にしっかりと栄養が行き届くようになります。
この作業を怠ると、根が変形したり細くなったりして、
甘さや食感にも大きく影響が出てしまうのです。
さらに、雑草との戦いも続きます。
除草剤に頼らず、できる限り手作業で丁寧に草取りを行うことで、
JGAP認証に基づいた“安全で安心なにんじん”の基盤を守ることができます。
秋が深まるにつれて、島原の朝晩は冷え込みが強くなります。
この“寒暖差”が、にんじんの糖度をグッと引き上げる秘密。
根に蓄えられたでんぷんが糖に変わり、
やがてまるでスイーツのような甘さを生み出していきます。
そして、出荷までには約90〜120日。
“じっくりゆっくり育てる”ことで、にんじんは自然な甘みと柔らかさをまとっていくのです。
次回もお楽しみに!
皆さんこんにちは!
宮崎農園の更新担当の中西です。
にんじんは、世界中で愛されている根菜ですが、実はその品種のバリエーションは非常に豊かです。形・色・味・栄養・用途によって適した品種があり、それぞれに個性と魅力があります。
細長く、赤みの強い外皮
肉質がやや粗く、香りが強い
京都や金時にんじんが代表格
正月料理や煮物で使われることが多い
→ 風味と見た目を重視する和食に最適。
短めで太く、オレンジ色が鮮やか
肉質がやわらかく、甘みが強い
生食・ジュース・洋食向け
→ 全国のスーパーで見られる「五寸にんじん」などがこれに該当。
長さ:15〜20cm
特徴:栽培しやすく、収量も安定。味のバランスが良く、万能型。
主な品種名:向陽二号、ベータリッチ、翔(かける)
→ サラダから煮物まで幅広く使える、標準型の定番。
長さ:10〜13cm前後
特徴:甘みが強く、皮が薄くてやわらかい
主な品種:姫にんじん、ピッコロ
→ お弁当やジュース、おやつ感覚のスティックにも人気。
特徴:赤みが強く、香りと甘みが濃厚
産地:京都・大阪・香川など
用途:正月のおせち、煮しめ、京料理など
→ 和の食卓に欠かせない伝統野菜。
特徴:糖度9〜12度以上。青臭さが少なく、生食向け
品種例:こいくれない、ひとみ五寸、フルーツキャロット
→ お子様やニンジン嫌いな人でも食べやすい次世代にんじん。
紫:アントシアニン豊富(抗酸化作用)
黄:リュテイン含有(目に良い)
白:クセがなく、煮込みやスープに◎
→ サラダ・ピクルス・バーニャカウダに彩りを加える映え野菜。
料理ジャンル | おすすめ品種 | 特徴 |
---|---|---|
生食・ジュース | フルーツにんじん、三寸系 | 甘みが強く、香りもマイルド |
和食・煮物 | 金時にんじん、五寸系 | 色味と煮崩れしにくさで優秀 |
洋食・炒め物 | ベータリッチ、翔 | 甘みとコクのバランスが◎ |
彩り重視 | カラーニンジン各種 | 見た目と栄養で付加価値アップ |
発芽率の高さと病気への強さ
根の太さ・色むらの出にくさ
土壌適性(重粘土~砂地など)
→ 収量と品質を両立する品種選定が、安定した出荷と売上に直結します。
にんじんは、「どれも同じ」ではなく、目的や季節、料理に応じて最適な一本を選ぶべき多様な作物です。品種の特性を知ることで、よりおいしく、栄養豊かに、楽しく食べることができます。
皆さんこんにちは!
宮崎農園の更新担当の中西です。
「フルーツニンジン」と聞くと、「果物なの?」「普通のニンジンとどう違うの?」という声がよく聞かれます。しかし、これは甘みと食べやすさを重視して改良された特別なニンジンであり、そのおいしさから“まるで果物のよう”と評価されることから名付けられました。
糖度は9〜12度前後と、一般的なニンジン(5〜6度)を大きく上回ります。
生のままかじっても、青臭さがなく、ほんのりフルーティーな香り。
→ 小さなお子様やニンジン嫌いな人にも好評です。
鮮やかなオレンジ色が特徴で、料理やジュースにも映える。
水分が豊富で、しっとりとした口当たりが楽しめます。
→ サラダやスムージーにもぴったり。
主に春蒔き・秋冬取りの温度管理型栽培で、甘みが高まる季節を狙って育てられる。
「ひとみ五寸」「こいくれない」などの甘味特化型品種が多く採用。
→ 土壌の水分・温度・肥料設計が品質の鍵を握ります。
成分 | 含有特徴 | 主な働き |
---|---|---|
β-カロテン | 非常に豊富(通常のニンジンと同等以上) | 抗酸化作用、皮膚・粘膜の健康維持 |
食物繊維 | 水溶性・不溶性ともに含む | 腸内環境の改善、便通促進 |
ビタミンC | 失いやすいが、生食で摂取可能 | 免疫力の強化、美肌効果 |
カリウム | ナトリウムの排出を助ける | 血圧の正常化、むくみの予防 |
ショ糖・グルコース | 甘味成分の中心 | 脳や体のエネルギー源としても有効 |
→ 特に生で食べることで熱による栄養損失を抑えられるのがポイント。
青臭さがないためドレッシング不要でも食べられる
お弁当やパーティーでの彩りにも◎
糖分が高く、砂糖を加えなくても自然な甘さ
加熱しても風味が損なわれにくいのも利点
「珍しい」「かわいい」「おいしい」と3拍子そろった商品性
通販やふるさと納税品としても高評価
従来のニンジンとは一線を画すフルーツニンジンは、味・栄養・見た目・用途すべてにおいて高評価な野菜です。農家としては、栽培管理に細やかさが求められますが、その分リピート率の高い付加価値野菜として育てがいのある作物です。